ラグタイムとは?
ジャズが流行するまでにも、長い間、様々な音楽のジャンルが生まれてきました。
そのジャンルの中の一つに「ラグタイム」というものがあります。
ラグタイムを一言ではなかなか語れないですが、簡単に言うとリズムをわざとずらしたり、遅らせたりしたシンコペーションのメロディと、規則的なマーチの伴奏を組み合わせたようなものです。
一般的にはピアノのラグタイムが知られていますが、今回は「木琴(シロフォン)」のラグタイムを調べてみましょう!
ラグタイムができるまで。
まずは「マーチ」から!
ラグタイムが流行する前、アメリカでは楽団音楽の黄金時代と呼ばれている時代がありました。
1870年頃、その中でも、「ジョン・フィリップ・スーザ楽団」が世界的に有名で、途中で木琴のソロをはさむという特徴的な構成が珍しく、またそれが新鮮で、人気が高いプロ楽団でした。
スーザの楽団では、40年間で少なくとも、7人のプロ木琴奏者を雇っており、打楽器奏者の中でも、木琴を演奏出来れば、仕事に困らない時代でした。
この楽団が有名になったことで、木琴奏者を目指す人たちがたくさん現れたのです。
およそ4:45から木琴ソロを聴くことができます。
木琴が家庭に普及!
19世紀の後半、家庭でも音楽を楽しむために、ピアノの他にも、木琴が普及しはじめました。
人々は独学で音楽を学んだりして、木琴を楽しんでいたころ、木琴の基本奏法の通信教育が始まりました。
世界的木琴奏者、「ジョージ・ハミルトン・グリーンのシロフォン教則本」が爆発的に売れ、友人や家族に音楽を披露し、健康的に音楽を楽しむ時代があったのです。
ディズニー映画にも初共演!
昔の白黒映画の時代、初期の頃は音声の入っていない無声映画でした。
そのため、映画が上映されている間、劇場で生演奏が行われていたのです。
この時に特に目立ったのが木琴!
映画のシーンで、おちゃらけた音や、情けない雰囲気を出したりと、面白おかしいサウンドに木琴はテキメンなのでした。
1928年にはミッキーマウスが登場する初期の映画、ウォルト・ディズニーの「蒸気船ウィリー」の効果音に木琴が使用され、家庭に通信教育を行っていた、ジョージ・ハミルトン・グリーンらが、演奏に参加していたのでした。
はじめは、ほかの木琴奏者が雇われていたのですが、映像と音声がピッタリと音をはめることが難しく、そこで天才的な腕をもつグリーンが選ばれたのです。
およそ4:55から木琴の音を聴くことができます。
ラグタイム
1900年頃から人気のあったラグタイム。
ラグタイムとはジャズの前身の音楽形式で、シンコペーションのリズムを使い、ユニークで特徴的なアフリカ系アメリカ人の音楽が含まれているものです。
ほとんどの、ラグタイムは即興的で、基本となるコード進行の中で、奏者は独自にアレンジをして演奏しています。この形は、ジャズに変化した後も受け継がれています。
ジョージ・ハミルトン・グリーンからは、アクセントによって作られたシンコペーションのリズムが最も重要だと伝えられてきました。
このリズムが後に、新しいジャズスタイルに吸収されていったのです。
まとめ
木琴のラグタイムは日本では、あまり知られていません。
この、木琴でのラグタイムは非常に奏法技術が高く、テクニックも必要です。
ほかの楽器とのアンサンブルなどでは、木琴のパートだけが異常に難易度が高く、木琴を極めていないとなかなか弾くことが難しいのです。
そのため、演奏者も少なくなってしまい、あまり知られないジャンルになってしまいましたが、昔の天才的な奏者の演奏は軽やかであり華やかです。
また、録音方法も蓄音機で録音しているので、なんとも味のある木琴の良い音色が聴くことができます。